YouTube・ショート動画の企画、台本、編集、導線づくりを、集客の目線で解説します。

Channel Design

チャンネル設計

YouTubeチャンネルのコンセプトを決める3つの手順

目次
  1. コンセプトが集客に効く理由
  2. 手順1 届けたい相手と悩みを一人分書く
  3. 手順2 自分が出せる強みを3つ挙げる
  4. 手順3 一文にして、当てはまらない動画を決める
  5. ぶれたときの見直し方
  6. 次にやること

集客のためのYouTubeチャンネルは、「誰の、どんな悩みを、どんな見せ方で解決するか」を一文で言えれば、コンセプトとして足ります。凝った言葉は要りません。この一文が決まっていると、企画の取捨選択が速くなり、見た人にも何のチャンネルか伝わります。

この記事では、その一文を作る手順を3つに分けて説明します。

コンセプトが集客に効く理由

見込み客は、動画を1本見ただけで契約や購入を決めることは少なく、何本か見て「この人の話は自分に関係がある」と感じてから動くことが多いです。そのとき、チャンネルの中身が一貫していないと、次の動画を見る理由がなくなります。

たとえば、整体院のチャンネルで、肩こり体操の動画の次に旅行の記録が出てくると、見ている人は戸惑います。旅行の動画に価値がないのではなく、「肩こりで悩む人に向けたチャンネル」という期待とずれてしまうからです。

コンセプトは、視聴者への約束のようなものです。約束が明確なほど、登録や再訪のきっかけになります。

コンセプトがあると、動画の本数が増えても迷いません。たとえば新しい企画を思いついたとき、「この一文に合うか」と照らすだけで、採用するか見送るかが数十秒で決まります。企画会議のない一人運営や少人数の会社では、この判断の速さが続けやすさに直結します。

反対に、コンセプトがないまま始めると、再生数の多かった動画に引きずられて内容が毎回変わり、チャンネルの方向がぼやけていきます。伸びた動画の真似をすること自体は悪くありませんが、本来届けたい相手から離れていないかを、都度確かめる必要があります。

手順1 届けたい相手と悩みを一人分書く

最初に、見込み客を一人分、具体的に書き出します。年齢や職業だけでなく、「いま何に困っているか」「検索窓に何と打ちそうか」まで書くのがコツです。

書く項目の例です。

  • どんな場面で困っているか(朝の準備中、会議の前など)
  • すでに試したこと、うまくいかなかったこと
  • 動画を見るときの環境(通勤中のスマホ、夜に自宅のパソコンなど)

実在の誰かの体験を作る必要はありません。あくまで自分の仕事で、よく聞く相談を一人の姿にまとめるだけです。相談メールや問い合わせ履歴、店頭でよく聞かれる質問が材料になります。

書き出した人物像は、動画を作るたびに見返すメモとして使います。特に「すでに試したこと」の欄は、台本の中で「こういう方法を試された方も多いと思います」と共感を示す場面に使えます。見込み客は、自分の状況を分かってくれている相手の話を、最後まで聞こうとします。

一人分で足りるのか、と思うかもしれません。複数の層を相手にする場合でも、まず一人分を深く書き、その人に向けた動画が数本できてから、次の層を足すほうが整理しやすくなります。最初から三つも四つも層を並べると、結局どの層にも中途半端な動画になりがちです。

人物像を書いたら、その人が動画を見る前後の行動も想像します。動画を見る前は何を検索し、見た後は何を確かめるのか。たとえば、料金を調べたり、口コミを探したり、別の動画と見比べたりする人が多いかもしれません。その行動を知っておくと、動画の最後に何を案内すべきかが決まります。

手順2 自分が出せる強みを3つ挙げる

次に、自分やお店が動画で出せるものを挙げます。専門知識、実際の作業風景、道具の使い方、失敗しやすい点の指摘など、種類はさまざまです。

ここで気をつけたいのは、強みを「他より優れている点」と考えすぎないことです。動画では、同じ知識でも「現場を見せられる」「図で説明できる」「質問に一つずつ答える」といった見せ方の違いが個性になります。

3つ挙げたら、手順1の悩みとつながるものに丸をつけます。つながらない強みは、今のチャンネルでは後回しにしてかまいません。

強みを挙げるときは、自分では当たり前だと思っていることを拾うのがコツです。毎日やっている作業の手順、お客様によく聞かれる質問への答え、仕事で気づいた失敗の防ぎ方などは、外から見ると立派な情報です。

逆に、「他にはない独自のノウハウ」を探しすぎると手が止まります。同じ分野の動画がすでにあっても、見込み客にとっては「自分の悩みに近い言葉で、自分の地域や状況に合わせて説明してくれる人」が見つかること自体に価値があります。

手順3 一文にして、当てはまらない動画を決める

手順1と2をつなげて、次の形で一文にします。

「(相手)が(悩み)を(見せ方)で解消できるチャンネル」

例として「初めて自分で確定申告をする個人事業主が、書類の書き方をつまずきやすい順に画面付きで確認できるチャンネル」のように書きます。法律や税金の話題なら、内容は一般論にとどめ、詳細は税務署や専門家への相談を促す形にします。

一文ができたら、同時に「このチャンネルでは扱わないこと」も決めます。扱わない題材を先に決めておくと、思いつきで企画がぶれるのを防げます。

一文を作るときの失敗例も挙げておきます。「役立つ情報をわかりやすくお届けするチャンネル」は、誰にでも当てはまるため、コンセプトとして機能しません。「役立つ」「わかりやすい」といった形容は、どのチャンネルも目指す前提なので、書かなくて構いません。

代わりに、「誰が」「何に」困っているかを具体的に書きます。慣れないうちは、書いた一文を友人に読んでもらい、「そのチャンネルを見たい人の顔が浮かぶ?」と聞いてみるのも有効です。浮かぶ顔が人によって違うなら、まだ広すぎます。

一文は、一度決めても数か月後に書き換えて構いません。最初の一文は仮のもの、という気持ちで、まず形にすることを優先しましょう。

ぶれたときの見直し方

数本投稿してから、一文と実際の動画がずれていると気づくことがあります。そのときは、無理に一文に合わせて動画を作り直すより、一文のほうを見直して構いません。

見直しの手がかりは、YouTubeアナリティクスの数字です。視聴維持率が高い動画や、登録者が増えた動画に共通する題材があれば、そこがコンセプトの中心になる可能性があります。数字の見方は別の記事で触れています。

ただし、数本では偏りが出やすいので、10本前後を目安に傾向を見るのがよいでしょう。

見直しの際は、チャンネルの説明欄だけでなく、固定した動画や再生リストの並びも合わせて確認します。コンセプトを変えたのに、古い動画が目立つ位置に残っていると、初めて来た人が混乱します。

また、コンセプトを変える場合は、既存の視聴者への配慮も必要です。急に方向を変えるのではなく、「今後はこういう内容を増やします」と動画の中で予告すると、離れる人を減らせます。

小さな事業者の場合、仕事の内容そのものが変わることもあります。サービスを追加したり、客層が変わったりしたときは、その都度コンセプトの一文を見直す習慣を付けておくと、動画と実際の仕事のずれを防げます。

次にやること

今日できることは三つです。

  1. 見込み客が検索しそうな言葉を、紙に5個書く
  2. 自分が出せる強みを3つ挙げ、悩みとつながるものに丸をつける
  3. 「(相手)が(悩み)を(見せ方)で解消できるチャンネル」の形で一文を書く

一文ができたら、チャンネルの説明欄の最初に入れてみてください。説明欄は検索結果にも表示されることがあるため、コンセプトをそのまま伝える場所になります。最初の10本は、その一文に沿った企画だけを並べて作るのが近道です。