動画編集は、「素材を整理する → 大まかに並べる → 不要な部分を削る → テロップと音を足す → 見直す → 書き出す」の順に進めると、手戻りが少なくなります。順番を決めずに細部から作り込むと、後で全体を直す羽目になりやすいので、この流れを型として覚えておくと便利です。
編集を始める前の準備
編集ソフトを開く前に、次の三つを用意します。
- 台本(どの順番で何を話すか)
- 撮影した素材のファイル
- 使う予定の画像、BGM、効果音
ファイルは、動画ごとにフォルダを作ってまとめます。フォルダの中に「素材」「画像」「音」「書き出し」の小さなフォルダを作っておくと、後で探す時間が減ります。ファイル名には、日付や内容を入れておきます。
準備の段階で、動画の仕上がりのイメージも決めておくと、編集の判断が速くなります。たとえば、テンポは速めかゆったりか、テロップは多めか控えめか、BGMは入れるか入れないか、といった方針です。
方針は、チャンネルのコンセプトとターゲットから決まります。落ち着いた雰囲気を求める見込み客が相手なら、テロップや効果音は控えめに、にぎやかな雰囲気を求める相手なら、動きを多めにします。迷ったときは、自分が見込み客だったらどう見たいかを想像します。
手順1 素材を取り込んで整理する
編集ソフトに素材を取り込み、使うものを確認します。撮影した動画の中から、良い部分に印をつけ、失敗したテイクや不要な部分は除外します。
この段階で、台本と照らして、撮影が抜けている箇所がないかを確認します。抜けがあれば、早めに追加撮影します。編集の途中で足りないと気づくと、撮影環境の再現が難しくなります。
手順2 台本の順に並べる(荒編集)
まず、素材を台本の順番にタイムラインへ並べます。この段階では、細かいカットは気にせず、全体の流れを作ります。
並べ終えたら一度、最初から最後まで再生して、話の流れに違和感がないかを確認します。順番を入れ替えたほうがよい場所があれば、この段階で直します。細部を作り込んだ後に順番を変えると、手間が大きくなります。
手順3 不要な部分を削る(カット編集)
言い間違い、長い間、不要な「えー」「あの」を削ります。削りすぎると、息継ぎがなくなり、不自然に聞こえるので、文の終わりには少し間を残します。
カットのつなぎ目では、画面が急に変わって見づらくならないよう、映像を少し拡大するなどの工夫も使えます。詳しいコツは、別の記事で説明しています。
カット編集の基準は、「聞いていて引っかかる部分があるか」です。言い淀み、長い沈黙、同じ内容の繰り返し、話の脱線などを探して取り除きます。
全部を削ろうとすると、時間がかかりすぎます。完璧を目指すのではなく、見る人が違和感を覚える箇所に絞って直します。1回通して見て、気になった箇所に印をつけ、その箇所を重点的に処理する方法が、効率的です。
手順4 テロップ、画像、音を足す
流れが固まったら、テロップ、図や画像、BGM、効果音を足します。
- テロップ: 重要な言葉や数字、手順の番号に使う
- 画像・図: 言葉だけでは伝わりにくい内容の補足に使う
- BGM: 話の邪魔にならない音量で入れる
- 効果音: 場面の切り替えなどに少しだけ使う
足しすぎないことが、見やすさにつながります。見る人が内容に集中できるかどうかを基準に判断します。
手順5 通して見直す
一通りできたら、最初から最後まで通して再生します。確認する項目は次のとおりです。
- 音が聞き取れるか(音量の大小、BGMとの兼ね合い)
- テロップに誤字がないか
- 映像と話の内容がずれていないか
- 冒頭と最後が台本どおりか
- スマホの画面で見て読めるか
確認は、自分のスマホなど、見る人と近い環境で行います。パソコンの大きな画面では気づけない問題が見つかることがあります。
見直しは、日を置いて行うと効果的です。編集直後は、自分の作業に慣れていて、ミスに気づきにくくなっています。翌日にあらためて見ると、誤字や音のばらつきなど、新しい目で気づける点が増えます。
公開を急ぐ場合は、せめて休憩を挟んで、30分ほど時間を置いてから見直してください。可能であれば、他の人に見てもらい、分かりにくい箇所を指摘してもらうことも有効です。
手順6 書き出し(エクスポート)
確認が終わったら、動画ファイルとして書き出します。書き出しの設定は、解像度、フレームレート、形式などがあり、YouTubeの推奨に合わせます。詳細は、別の記事で説明しています。
書き出した後は、ファイルを再生して、問題がないかをもう一度確認してからアップロードします。
書き出しが終わったら、ファイル名に日付と動画の題名を入れて保存します。同じ題材で何度か書き出す場合は、番号を付けて区別します。最終版がどれか分からなくなるのを防げます。
作業時間を短くする工夫
- 編集の手順を固定し、毎回同じ順で進める
- よく使うテロップの形をテンプレートとして保存する
- ショートカットキーを覚える
- 撮影のときに、言い間違いの箇所を手を叩くなどで印にする
最初は1本に数時間かかっても、型ができると短縮されます。完璧を目指さず、まず公開できる品質で仕上げる習慣が大切です。
編集に慣れてきたら、作業時間の内訳を記録してみてください。素材の整理、カット、テロップ、書き出しのそれぞれにどれだけかかったかを見ると、時間のかかる工程が分かります。
テロップに時間がかかっているなら、入れる量を減らす、テンプレートを作る、という改善ができます。カットに時間がかかっているなら、撮影のときに言い間違いを減らす工夫が効果的です。作業の記録は、翌月の自分への助けになります。
次にやること
次の動画で、この6つの手順を紙に書いて貼り、順番どおりに進めてみてください。各手順にかかった時間も記録します。どの手順が一番長いかが分かれば、そこを短くする工夫を考えられます。1本目が終わったら、記録を見返し、次の動画で改善する点を一つだけ決めましょう。
編集が終わったら、使った素材や編集ソフトのプロジェクトファイルを整理して保存します。後から修正が必要になったとき、元のデータがあれば再編集できます。ただし、ファイル容量が大きくなるので、外付けのストレージやクラウドに保存する方法も検討します。データの扱いは、会社の規定や個人情報の取り扱いにも注意して行ってください。
編集の流れは、動画の種類によって少し変わります。会話中心の動画ならカットを重視し、画面操作の動画なら拡大や矢印などの補助表示に時間を割きます。自分の動画に合わせて、手順の重みを調整していきましょう。
まずは1本、この記事の内容を一つだけ試し、前後を見比べてみてください。小さな改善の積み重ねが、チャンネル全体の見やすさにつながります。




