YouTube・ショート動画の企画、台本、編集、導線づくりを、集客の目線で解説します。

Shorts

ショート動画

ショート動画の最初の1秒で止める作り方

目次
  1. なぜ最初の数秒が重要なのか
  2. 冒頭に入れる三つの要素
  3. 1. 誰向けかを示す
  4. 2. 何が分かるかを示す
  5. 3. 動きを入れる
  6. 冒頭の型
  7. 型1 結論を先に言う
  8. 型2 悩みを言い当てる
  9. 型3 完成形を見せる
  10. 型4 問いかけで始める
  11. 文字の使い方
  12. 避けたい冒頭
  13. 冒頭を確かめる方法
  14. 次にやること

ショート動画の冒頭では、あいさつを省き、「誰向けの何の動画か」を画面の文字と一言で最初に出すのが基本です。縦にスクロールされる画面では、見る人は一瞬で見るか流すかを決めます。そのため、最初の1秒から数秒に、動きと主題を入れる工夫が効きます。この記事では、冒頭の作り方、型、確認の方法を説明します。

なぜ最初の数秒が重要なのか

ショートは、次々に表示される動画を縦にスクロールして見る形式です。見る人は、動画を自分で選んで開くというより、流れてきた動画に対して、見続けるかどうかをその場で決めます。

そのため、長い前置きは、見る人にとって「関係のない時間」になります。「こんにちは、今日は〜について」と話し始めると、その間に流されてしまうことが多くなります。数秒で「自分に関係がある」と感じてもらうことが、最後まで見てもらう第一歩です。

冒頭の数秒を磨くことは、動画の制作時間のうち、小さな割合で大きな効果が出る作業です。本編の編集に時間をかけるより、冒頭の一言と最初の画面に時間を使うほうが、結果につながる場合があります。

ただし、冒頭だけが良くても、中身が伴わなければ、すぐに離脱されます。冒頭で約束したことを、動画の中で果たすことが前提です。

冒頭に入れる三つの要素

1. 誰向けかを示す

「確定申告が初めての方へ」のように、対象を最初の一言で示します。該当する人は、自分に向けた動画だと気づいて、続きを見ます。

2. 何が分かるかを示す

「最初に用意する書類は3つです」のように、動画を見ると何が分かるのかを示します。結論を先に出すことで、続きを見る理由が生まれます。

3. 動きを入れる

最初の画面に動きがあると、目を引きます。手元の作業、画面の拡大、人物の動き、切り替えなどです。静止した状態で話し始めるより、動きのある画面から入ります。

三つの要素は、全部を言葉にしなくても構いません。「誰向け」は画面の文字、「何が分かるか」は音声、「動き」は映像で、というように、役割を分けて伝えると、数秒の中に収まります。

短い時間で伝えるには、言葉を削る作業が必要です。「確定申告の書類について、これからご説明します」ではなく、「確定申告の書類、3つだけ」のように、短く言い切る形に整えます。

冒頭の型

型1 結論を先に言う

「結論、書類は3つだけです」と始めて、その後に理由と内容を話します。答えが先に分かるため、見る人の疑問にすぐ応えられます。

型2 悩みを言い当てる

「書類の準備、何から始めればいいか分からない」と、見る人の悩みを言葉にします。共感が生まれて、続きを聞こうという気持ちになります。

型3 完成形を見せる

作業の動画なら、完成した状態を最初の数秒で見せます。その後に、作り方を順に見せる構成です。結果が先に分かるので、過程を見る動機が生まれます。

型4 問いかけで始める

「この書類、必要だと知っていましたか」と問いかけます。ただし、不安をあおる言い方や、誇張した問いかけは避けます。内容に見合った、自然な問いかけにとどめます。

型を選ぶときは、ショートの題材と合うものにします。手順の動画なら型3(完成形を見せる)、質問への答えなら型1(結論を先に言う)が自然です。悩みに共感を示す内容なら型2が合います。

型を試すときは、同じ題材でも、冒頭だけを変えた動画を作り、反応を比べてみてください。冒頭を変えるだけなら、撮影の手間が少なく、実験しやすい方法です。

文字の使い方

音を出さずに見る人も多いため、冒頭の文字は大切です。

  • 最初の画面に、主題を大きな文字で出す
  • 10文字前後の短い言葉にする
  • 話している内容と合った言葉にする
  • 画面の安全な範囲に置く(上下や右端を避ける)

文字は、話し始めと同時に表示します。音声より遅れて出ると、見る人が内容を理解するまでに時間がかかります。

避けたい冒頭

  • 長いあいさつや自己紹介: 数秒を使ってしまうため、省くか、後ろに回す。
  • 内容と無関係な派手な演出: 注目は集められても、本題とずれていると離脱される。
  • 誇張した表現: 動画の内容に見合わない「衝撃」「知らないと損」などの言い方は、期待外れとなり、信頼を損ねる。
  • 画面が暗い、または静止している: 最初の画面で何が映っているか分からない。

冒頭を確かめる方法

作った動画の冒頭は、次の方法で確認します。

  1. 音を消して再生し、最初の3秒で何の動画か分かるか確認する
  2. 他の人に冒頭の3秒だけ見せて、何の動画だと思ったかを聞く
  3. 公開後に、アナリティクスで最初の数秒の維持率を確認する

維持率が低い場合は、冒頭の型を変えて、次の動画で試します。複数の動画で記録を取ると、自分のチャンネルに合う型が分かります。

他の人に冒頭を見てもらうときは、「何の動画だと思いましたか」「続きを見たいと思いましたか」の二つを聞きます。答えが想定と違えば、冒頭で伝わっていない部分です。

家族や同僚など、専門知識のない人に見てもらうのが効果的です。専門用語を使っていないか、画面の情報が多すぎないかが分かります。

次にやること

次のショートの台本を書く前に、冒頭の一言を3通り考えてみましょう。「誰向け」「何が分かるか」「動き」の三要素を入れた案を紙に書き、最も短く伝わるものを選びます。撮影後に、音を消して冒頭の3秒を見直し、何の動画か分かるかを確認してください。数本続けて、冒頭ごとの維持率を記録すれば、効果のある型が見えてきます。

冒頭の工夫は、一度に全部取り入れなくて構いません。まず「あいさつを省く」だけでも、冒頭の印象は変わります。次に「文字を先に出す」、その次に「動きを入れる」と、一つずつ足していくと、変化の効果が分かりやすくなります。

冒頭の改善で最も大切なのは、見る人の立場で考える姿勢です。自分が流れてくる動画を見ているとき、どんな動画で手を止めるかを振り返ると、自分の動画に取り入れられる工夫が見えてきます。気になった他の動画があれば、冒頭の3秒に何があったかをメモして、型として蓄積しておきましょう。他の動画の真似ではなく、自分の題材に合うよう言葉を置き換えて使います。また、冒頭の改善は何度でも試せます。数字を見ながら、少しずつ調整してください。

台本の冒頭には、「誰向け」「何が分かるか」「動き」の三つを書き込むチェック欄を作り、撮影前に確認する習慣をつけましょう。確認が終わってから撮影に入ると、冒頭の撮り直しが減ります。公開後は、冒頭の型と維持率を表に記録し、反応のよい型を次の動画で再び使います。

数本ごとに結果を見返し、うまくいった工夫を残して、効果の薄かったものは手放していきます。この繰り返しが、チャンネルに合うやり方を見つける近道です。